「Windows Embedded Compact 7」が2021年にサポート終了

課題

もはやAndroid端末への移行は避けられない?

かつてハンディターミナルは、独自OS搭載の製品がほとんどでした。それが2007年頃、マイクロソフトの組み込み用OS「Windows CE」を採用した製品が、多数のメーカーから発売され、OSとしてWindowsが多く採用されるようになっています。

ただマイクロソフトは、その後継である「Windows Embedded Compact 7」のOSサポートを、2021年で終了すると発表しました。そのため、パナソニック、デンソーウェーブ、カシオ計算機といったメーカーから、Android OSを搭載したハンディターミナルのリリースが、ここに来て相次いでいます。マイクロソフトは、ハンディターミナルで中心となる5インチ向け組み込みOSは提供しない方針なので、今後OSはAndroidに置き換わっていくことが確実だと見られます。

実際に海外のハンディターミナルでは、ハネウェルとゼブラの2社が圧倒的なシェアを持っていますが、サポート終了が明確なこととセキュリティ上の理由から、既に8割程度がAndroid端末です。

「先日、大手HTメーカーの製品開発責任者と話をしました。その時、既にサポートを終了しているWindows CE5.0/6.0搭載端末を、日本企業が使い続けているのはセキュリティ面から危険だと驚いていました。Compact 7も2021年にサポート終了ですので、今リプレイスしても、5年間使うと2年ほど、10年利用した場合は6年間もサポートなしで使うことになります」と池田峻二は注意を促します。

プロダクト事業部 営業部 部長 池田 峻二

解決

最大の問題は「業務アプリケーションの作り直し」

ハンディターミナルをリプレイスする際は、端末に合わせてシステムの改修も必要です。引き続きWindows端末であれば、システムはわずかな改修で済むものの、先述の通り、サポート終了が目の前に迫っています。

一方、Android端末にすれば、今後長期にわたって使えるものの、C#のような組み込み系言語で開発したアプリケーションはAndroidでは一切動かないため、ソフトウェアを一から作り直さなければなりません。

Androidは非常に優れたOSです。今までのWindows端末は組み込みOSを使っていたので、業務アプリケーション用にしか使えませんでした。しかし、ハンディターミナルのメーカーが発売しているAndroid端末は、Google PlayにつながるAndroid OSを搭載しています。

「新しいハンディターミナルは業務端末という枠組みを超えて、コミュニケーション端末としても使えるようになるでしょう。ハンディターミナルに業務連絡のメールが届いたり、IP電話のような機能をAndroidの中に入れて、端末同士で通話できるようになるのです。また、GPSや加速度センサーも搭載されるので、人の動きを感知したり、危険を回避したりすることも不可能ではありません」(池田)。

このように、様々な活用方法が考えられるAndroid端末ですが、最大の課題はWindows端末からのリプレイス時に必要となる業務アプリケーションの作り直しでしょう。Android OSの開発ツールはたくさんありますが、いずれも業務アプリケーションではなく、スマートフォン用のモバイルアプリの開発が主な用途です。

従来ハンディターミナルメーカーのパートナーとして、業務アプリケーションの開発を担当していた開発会社は組み込み用のC#や.NETを使っていました。それに対して、Androidの開発言語はJavaなので、エンジニアは一から習得しなければならないため、そのハードルは極めて高いと言えるでしょう。

変革期だからこそBiz/Browserは“渡りに船”

そこで大きな力になるのがBiz/Browserです。Biz/Browserは.NETの開発ツールに似ていて、今までWindowsの業務アプリケーションを作っていた感覚で、Androidのアプリケーションを作ることができます。

こうした点を評価して、Biz/Browserを採用、製品の開発を進めているのがバーコード読取機やラベルシール貼付機のメーカーであるサトーです。「最近、Android OS搭載のラベルプリンタ『SATO FLEQV(フレキューブ)FX-3LX』を発売しましたが、開発ツールの1つとしてBiz/Browserを選んでいただいております」と池田は明かします。

現在、金融機関をはじめとして、大手企業のモバイルアプリの開発が非常に盛んです。そのため、iOSやAndroidの大規模な開発案件が次々に発生しており、技術者が足りない状況にあるといいます。

「WindowsからAndroidへのリプレイスに伴うシステム改修は、多くて10画面程度の小規模な開発案件です。そのため、開発会社は大規模案件を優先し、短納期の案件は先送りされる傾向も強まっています。そうした中であっても、Biz/Browserは簡単に覚えられるため、Android用のアプリケーションへの改修を容易に行えるのが大きなメリットです」と池田は説明します。

また、実際にAndroid端末を導入する際、ユーザー企業はいきなり全てのハンディターミナルをリプレイスするわけではありません。最初は一部の工場や店舗に導入、実証実験を行って、段階的に導入するのが一般的です。その場合は、サーバー側も含めて、Windows系とAndroid系の2つの業務アプリケーションが動くことになります。

こうした環境においても、Biz/Browserは1度開発してしまえば、1つのアプリケーションを並行稼働させられます。端末が切り替わって、ユーザーインターフェイスが多少変わっても、アプリケーションは同じなので、従業員に対する教育も不要です。

「ハンディターミナルがWindows端末からAndroid端末に切り替わっていく大きなトレンドの中で、Biz/Browserの利用は開発会社にとっても、ユーザー企業にとっても、“渡りに船”の救世主になるでしょう」と池田は力を込めて語ります。

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